変化するお客様とお店の付き合い方

コロナ禍になって日本でも「飲食店のDX」というフレーズをしばしば耳にするようになった。
非接触・非対面が重要視され、お客様とお店の付き合い方に変化が生まれたからだ。
この変化により飲食DXは今後もさらに発展が期待されている。

飲食店のDX イメージ

飲食DXを2つの分類で分けると、「売上に直結するもの」と「売上に貢献はするが、直結はしないもの」がある。

「売上に直結するもの」

・デリバリーサービス
・テイクアウトサービス
・電子決済(PayPay、d払い)

先行投資として考えやすく、サービスの利用料が売上の何%となっているものが多いので、比較的低リスクで導入することができる。

「売上に貢献はするが、直結はしないもの」

・オーダーサービス
・業務管理ツール

売上にダイレクトに反映されるわけではないのでリスクがある。サービス料や導入費でマイナスとなってしまい、投資分の回収ができない可能性があるため、その中でも「業務上必須でないもの」は先行投資としてなかなか手が出しにくいのが現状だ。

しかし属人的な業務でなんとでもなる分野のDXにこそ、デジタル化の真のメリットがある。

■飲食DXの導入ハードル

飲食店のDXはお金がかかるものばかり。飲食店のDXがなかなか進まない理由はこういったところにある。専用機器が必要だったり、お問合せから利用するまでにかなり時間がかかったり。システムを導入するだけで費用が発生してしまうものもあったり。

一般的な企業が業務効率化ツールを導入するときにトライアルなしで導入することはなく、「まずはお試しで」始められるものが多い。これは今の時代では当たり前の考え方で、それができるのがデジタル(クラウド)時代の最大の特徴なのだ。

しかし飲食DXを検討するときに、そんな感覚で利用できるサービスは少ない印象だ。せっかく費用をかけて導入したシステムが、利用者のニーズに合わず、自分の店舗には合っていなかったというケースも起こりうる。

■店舗間のデジタルデバイド

さらに、飲食DXが進む中で課題となっているのが店舗間のデジタルデバイドだ。積極的にDXを推進している店舗もあれば、何をすればいいのか、どうやればいいのか分からないなどといった理由から、システムを上手く使いこなせない店舗もある。DXを取り入れることができるお店とそうでないお店との間で格差が生じているのは一目瞭然だ。

この格差が生まれる最大の理由は、業界全体のITリテラシーの低さにあると考える。この業界はサービスやシステムを提供している業者(サービサー)に頼りきりになってしまう店舗が多いように感じる。もちろんそれ自体は悪いことではないのだが、この風土があるためサポート費用が全体的に高くなってしまう傾向がある。そうなるとお金をかけていられないDXは後回しになってしまうし、売上の少ないお店のDX化が遅れてしまうのだ。

この負の連鎖が、お店ごとのITスキルの向上に影響を与えており、業界全体の発展の足かせになっている。

大変なイメージがある日本の飲食業界を変えることができる飲食DX。飲食業界を発展させるために必要なことは、そこで働く人のITスキルだ。利益率が低いだとか忙しいのに給料が低いというのは、そこで働く人自身のDXで払拭できる。飲食店が一般企業よりもイカした業界になるには、まずは個々人のITスキルの向上が必要ではないだろうか?

5年後の追記(2026年)

この記事を書いた2021年当時、飲食業界のDXが遅れている理由として挙げたのは、店舗間のITリテラシーの差でした。記事中で紹介した無料のモバイルオーダー「Dishapp」は、2025年末で提供を終了しています。

5年経って変わったのは、使う側の慣れよりも作る側のコストです。生成AIによって、以前は予算が合わなかった規模の仕組みも小さく作れるようになりました。一方で「何から手をつければいいか分からない」という入口の問題は、当時とあまり変わっていません。

私たちは自社で実店舗2つとECを運営しており、店頭のPOP生成やポイントカード、仕入れ・商品管理の仕組みを自分たちで作って毎日使っています。提案するのは、そこで実際に効いた方法です。お問い合わせからご相談ください。事業内容会社概要もあわせてご覧いただけます。